「新築現場はお客様とのふれ愛の場、まさに『心築現場』」を現場での共通約束事項に掲げるパナホーム株式会社で、スローガンどおりの施工管理を目指している高野さんにとってバイブルとも言える存在が、平成15年に制定された『現場共通仮設仕様書』だ。
「同仕様書には、保護帽の着用や現場看板、敷地補強鉄板など現場の安全・環境・養生等に関することが50項目近くにわたって定められていて、1つひとつの項目も設置場所・方法から期間、数量、対象者、設置者まで、きめ細かく記載してあります」。
このマニュアルに基づいて施工管理を行うことで、経験の浅い施工管理者でも、安全かつ環境に配慮して工事が進められるようになっている。
もちろん、どんなに優れたマニュアルがあっても、大切なのはそれを運用する施工管理者の安全に取り組む姿勢と言える。高野さんも、これまでの経験をもとに細心の注意を払いっているポイントがある。それが「面倒くさい」である。
「せっかく『現場共通仮設仕様書』で決められていても、人は面倒くさいと思うと実行しないことがよくあるのです。例えば、足場への出入り防止具。何度も出入りする際には、いちいち外すのは面倒なので外したままにして、結局付け忘れてしまう。職人さんが作業された後は、必ず現場が決められた通りになっているかどうかをチェックします」。
決められたルールを面倒くさがらずにきっちり守っていくこと。それが現場での安全につながっていくようだ。